- iPhone のエクスプレスカードとは
- iPhone のエクスプレスカードの設定の方法
- iPhone で実際にタッチしてロンドンの交通で使用してみる
- ロンドンのOyster Card と同じように、一日上限も適用される
iPhone のエクスプレスカードとは
iPhone ユーザーならお馴染みのapple pay を使用していると思います。関東在住の人はSuica や PASMOをiPhone に入れて、使用している人も多いのではないでしょうか。通勤・通学でiPhoneをかざすだけで、改札を通れる便利な機能です。JRでも私鉄でも、東京メトロでも、iPhoneをかざすと入場と退場する駅名が記録されて、自動的にSuicaなどに入っているチャージ金額から電車代が差し引かれます。履歴も残るので、本当に便利な時代になりました。
さて、そうしたApple Payに入っているカードの中の交通系ICカードを主にエクスプレスカードといいます。 iPhoneをお持ちでしたら、「設定」➔「ウォレットとApple Pay」➔「エクスプレスカード」というタブがあるので、そこを確認することができます。
このエクスプレスカードのところに「交通系ICカード」というものが入っていて、チェックされているならその機能を既に使用していることになります。[My Suica」とか「無記名PASMO」などの表記になっているかもしれません。
iPhone のエクスプレスカードの設定の方法
ただし、日本で使用しているiPhoneをそのままイギリスロンドンで使用しようとしても、設定を変更しないと使用できません。ロンドンにはSuicaとかPASMOなどは無いからです。通信方式の異なる交通決済になるからです。ただ、簡単な設定を変更するだけで、ロンドン・ヒースロー空港に到着してすぐに地下鉄やバスで使用することが可能です。しかもキャッシュレスで、改札やバスの入り口の読み取り部分(ロンドンバスは、以前はドライバーが現金も受け付けていましたが、現在はキャッシュレス決済のみ乗車となりますので、ご注意ください)をタッチするだけです。まるでSuicaなどと同じように使用できます。
まず、iPhoneの「設定」にいき、次に「ウォレットとApple Pay」を選択します。
そこへ行くと、上から「支払い用カード」が出てきて、Apple Payで使用できるカードの一覧が出てきます。恐らくそこにSuicaやPASMOなどが入っている人はそこの一覧にも存在を確認することができるはずです。しかし、重要なのはそこではなく、その2つ下くらいにある「交通系ICカード」の「エクスプレスカード」という欄です。そこに複数枚所持しているなら、「複数」という表記があるはずです。そこの「複数>」というタブを選択します。
そうすると、一番上に「交通系ICカード」という項目があり、幾つか交通カードがその下に表示されていて、いつも使用ているSuicaなどが表示されていて、緑のチェックが入っていると思います。 ただそこの緑のチェックを外してあげることが必要です。PASMOでもSuicaでも、チェックを外してください。そして、次に見るのは、その下の「支払い用カード」という一覧です。恐らく、いつもApple Payで使用しているクレジットカード等が表示されています。そのクレジットカード等のチェックしているカードを確認してください。そのクレジットカードはタッチ決済(コンタクトレス決済)が可能なカードでしょうか。 そのカードがコンタクト決済可能なカードでしたら、ロンドンについて、すぐにiPhoneをかざすだけで、ロンドンの地下鉄や電車やバスなどに乗ることができます。
ただ注意点として、下記のクレジットカードは使用不可となるようです。(下記TFLからの引用)
Many contactless cards issued outside the UK can be used to pay as you go for travel (overseas transaction fees may apply):
訳:英国以外で発行された多くのコンタクトレス対応のクレジットカードは、交通機関で使用可能です。
- American Express (AMEX) アメリカンエクスプレス
- MasterCard and Maestro (some cards issued in the USA, Canada and the Netherlands aren’t accepted) マスターカードとマエストロ (アメリカ、カナダ、オランダで発行されたいくつかのマスターカードとマエストロは、使用不可。)
- Visa and V PAY (some cards issued outside the UK aren’t accepted) ビザとVペイ (英国以外で発行されたビザカードとVペイは使用不可)
おススメは、アメリカンエクスプレスで、恐らく日本で発行されたアメックスカードはどれでも対応可能だと思います。 自己責任でご使用してみてください。
iPhone で実際にタッチしてロンドンの交通で使用してみる
上記の設定のしてあるiPhoneでしたら、ロンドンのOyster Cardを購入しなくても、Oyster Cardの交通運賃で公共交通機関を使用できます。上記にも書きましたが、ロンドンバスは現金での乗車は不可となっていますし、現金で地下鉄や電車のチケットを購入することはかなり割高になります。ただでさえ、ロンドンの公共交通は世界でも割高ですので、なるべく安くすむことに越したことはありません。使用は、簡単で日本での「エクスプレスカード」として使用している交通系ICカードのチェックを外してあるiPhoneをReaderと呼ばれる読み取り機にかざすだけです。バスでも地下鉄でも、同じ読み取り機ですので、そこにかざすと自動的にiPhoneが反応して、支払い用のクレジットカードが立ち上がり、認識します。そして、降りるときに電車や地下鉄の場合は、もう一度改札にある読み取り機にかざすだけで、自動的に認識して清算が行われる仕組みになります。 ロンドンバスの場合は、乗車時にドライバー近くの読み取り機に1度だけかざすだけで、大丈夫です。1回一律運賃なので、どこで下車しても1回分の値段として精算が行われます。たまに、バス会社の人が、乗客がきちんとお金を支払っているかチェックするときがあり、バスに複数人乗り込み、1人1人の支払いに使用した端末やカードなどをもう一度かざすようにその人が持っている携帯端末でチェックが行われるときがありますが、その際はその指示に従って、もう一度iPhoneをかざすと良いと思います。課金はされませんので、ご安心ください。

ロンドンのOyster Card と同じように、一日上限も適用される
このiPhoneでのタッチ決済は、改札通過時、ロンドンバス搭乗時など、かなり便利なのですが、さらにお得な点として、Oyster Cardと同じように1日の上限になると、それ以上お金がかからない仕組みになっていて、本当に賢い作りになっています。Cap と言って、1日の場合、午前4:30から翌朝午前4:29までの交通利用は1日の利用と見なされて、上限に達すると1日券と見なされて、それ以降は自動的に支払いが止まります。つまり、午前と午後で色々とロンドン観光で地下鉄(Zone1,2内)やバスを利用して、1日上限の7.7ポンドに達すると、自動的に1日券扱いになり、それ以降は地下鉄やバスに乗っても料金はかかりません。(ただし、トラベルZoneを無限に移動できるわけではなく、Zone1,2を超えて、Zone3, Zone4 へ移動すると、1日の上限金額がZone1-4が適用されるので、11ポンドまで支払うことになるのでお気をつけください) 11ポンドは、日本円で1815円(1ポンド=165円計算)ですので、1日の交通料金としては大きいですよね。なるべく節約したいものですね。
ちなみに、1週間料金というのもあるので、ロンドン滞在を1週間予定している人で地下鉄やバスをかなり使う予定をしている人は、1週間の上限金額もあるので、ご安心ください。
ただ、こちらも注意点があり、TFL(ロンドン交通局)の案内によると、1週間の始まりは月曜日からで日曜日までで、週の始まりの月曜日、火曜日くらいから地下鉄やバスを使用し始めているならいいのですが、途中の木曜日や金曜日から地下鉄やバスを乗り始めて、1週間を使う人は、使い始めた木曜日ないし金曜日スタートでも日曜日が最終日になってしまうので、それだと1週間料金が適用されない可能性があるとの事です。 週の後半からスタートして1週間ロンドンの交通機関を使用する場合は、チケットマシンで、7 Day Travel Cardというものを購入したほうが、きちんと木曜日スタートだったら、翌週の水曜日まで使用できるという事です。ちなみに、コンタクトレス使用の場合とトラベルカードの使用の場合の料金は一緒で、Zone1,2 で週38.40ポンド、Zone1-4 で週55.20ポンドになります。*2022年11月現在。 このトラベルカードというのは、1週間用だけでなく、1日用もありますが、1日用を購入すると、コンタクトレス使用と比較すると割高料金になるので、1日使用の場合は、基本コンタクトレス決済のカードを使用することをお勧めします。
コンタクトレス決済できるクレジットカードをお持ちでない場合は、通常通りOyster Cardという青のカードを券売機で購入してそこへチャージして使用することも可能です。このOyster Cardは以前はデポジットというものが必要でしたが、最近はデポジットなしで入手可能だそうです。
少し運賃を参照すると次のようになります。 ロンドン地下鉄Zone1,2を使用した場合
コンタクトレス決済を使用した場合の料金 (クレジットカードのコンタクトレスやOyster Cardを使用の場合)
Daily Anytime 1日どの時間帯を使用する場合の料金 | £7.70 | |
Daily Off-peak 1日のオフピークの時間帯の料金 | £7.70 | |
Weekly (Mon to Sun) 1週間の上限(但し月曜から日曜まで) | £38.40 |
券売機でトラベルカードを使用した場合の料金(トラベルカードの場合は、Zone1,2のみというのがないので、利用しなくてもZone1-4が付いてきますね。オフピークに利用するとZone1-6まで行けるようです。
Day Anytime 1日どの時間帯でも | Valid for Zones 1, 2, 3, 4 | £14.40 |
Day Off-peak オフピーク時間帯の利用 | Valid for Zones 1, 2, 3, 4, 5, 6 | £14.40 |
7 Day 1週間の料金(Zone1,2 のみ) | £38.40 |
オフピークの時間帯は、上記時間帯以外の利用と、月曜日から金曜日の平日で16:00-19:00の間に逆方向であるZone1以外からZone1へ行く場合は、オフピークの値段になるようです。 ただし、新しく出来たElizabeth Line エリザベスラインは、Zone1を通ったり、乗り換えたりする場合はどの時間帯でもピーク料金になるとの事です。
最後にもう一つ注意点❕
ロンドン交通の地下鉄の改札やバスに乗る際にタッチする黄色の端末ですが、反応がかなり悪い時があります。よく壊れたり、誤作動を起きて改札が開かないなど、日常茶飯事なので辛抱強く待つ事です。うまくいかなかったら近くの駅のスタッフやバスドライバーに尋ねることをお勧めします。
さらに厄介なのが、タッチして改札開いて、普通に乗り、目的地の駅でもタッチして出たのに、きちんとタッチされなかったと記録されて、1日上限料金も使用していないのに、1日の上限料金の請求が来ることが稀にあります。その際は、TFL(ロンドン交通局)へメール等をして、払い戻しを行うことができます。その際にやっておくと良いのは、アカウントを作成しておくことです。そうすると自分がいつ、どの駅から乗車して、どの駅で降りたかを電子的に記録されます。時間帯も残りますので、きちんとタッチしたことを主張すると、お金の返金を受けれますので、心配なかたは下記のTFLのサイトに自分のコンタクトレス決済の情報を入れて、アカウントを作成しておくのも良いかもしれません。
参考に・・・https://tfl.gov.uk/fares/contactless-and-oyster-account