Coffee 先進国?! 紅茶のイメージが強いイギリスの大変貌! 国民のお茶は紅茶ではなく、コーヒー?!

Life in England

イギリスと言ったら紅茶、イングランドでは硬水という事もあって、そしてインドを植民地としていた名残もあり、長年紅茶が愛飲されてきている。10月1日は、International Coffee Dayという事で、イギリスにおけるコーヒーの台頭について記述したいと思います。

エスプレッソコーヒーの台頭

 2000年代前半までは、イギリスにおいて大きなコーヒーチェーンはあまり多くはありませんでした。
メジャーなコーヒーチェーンといえば、Starbucks, Costa Coffee, Nero, Coffee Republicなどのコーヒーチェーンが巷に少しずつ進出して、ラテやカプチーノなどのエスプレッソ系のコーヒーがイギリスでも飲まれるようになり、少しずつコーヒーがイギリスでのお茶定番が変わり始めた年代だったと言えます。しかし、その頃はまだイギリスの”お茶”と言えば、紅茶のことであり、休憩時の合言葉は”ティータイム”つまり紅茶を飲む時間のことを指していたわけです。外出時でもイギリス人は紅茶を飲む傾向にありました。コーナーショップでも、駅構内のサンドイッチが売っているお店でも、公園のカフェでも紅茶が主流の温かい飲み物だったわけです。恐らく、どこでも注文してから早い、安い、家と変わらない味という意味でイギリス人好みだったと思われます。ちなみにイギリス人はせっかちな人が多いので、待つ事や並ぶことは好きではありません。また、当時(2000年前半)のラテなどのエスプレッソコーヒーは、今もあまり変わりませんが、1杯3ポンド弱するので当時1ポンド200円前後だった当時の円相場で考えると600円前後という事になり、日本からの旅行者や低所得移民からしたら、当時1杯1ポンドや1ポンド以下の紅茶の方がより買いやすい、飲みやすい傾向にあったと思います。

紅茶は飽きる?!

イギリス人は、毎日紅茶を飲みますが1日に何杯飲むかというと、ネットでは平均7杯の紅茶を飲むとありました。夏場も比較的朝夕が冷える気候も関係していると思いますが、朝夕は温かい飲み物を取り入れる傾向にあります。ですから、朝食前後、10時の少しの休憩、13時頃のお昼休憩、15時、夕方、夜の時間などやはり計算してみると、6回から7回くらい温かい飲み物を飲む計算になり、ティーバックを入れてお湯を注ぐだけで飲める紅茶がとても手軽に飲めるのが特徴です。ちなみに、イギリスでは日本のように、毎回紅茶を飲む際にティーカップとソーサーを出して飲む人はほとんどいません、恐らく上流階級の人たちはそうしているかもしれませんが、一般の人々はマグにティーバックを入れて、ケトルで沸かしたお湯を注いで、Semi-Skimmed Milk(日本でいう低脂肪牛乳)をお好み量入れて、ミルクティーにするのがポピュラーな紅茶の飲み方です。もちろん砂糖を毎回加える人もいます。(イギリスには、一般的にWhole Milk, Semi-Skimmed Milk, Skimmed Milkというように日本語では牛乳、低脂肪牛乳、さらに低脂肪の牛乳というような形で売られていて、真ん中のSemi-Skimmed Milkが紅茶と合わせるのに一般的です。最近では、ヴィーガンが流行っているので、アーモンドミルク、オーツミルク、豆乳などの代用牛乳を使う人も増えています。)
 ティーバックも日本で売っている”糸”つきのティーバックは売っていないので、紅茶のバックをそのままマグに入れて、お湯を注ぐスタイルなので、取り除くときはティースプーンが必ず必要になります。
 紅茶にも種類がありますが、毎日6杯、7杯、それ以上飲むと当然飽きてくることになります。イギリスで生まれ育った人は、日本人が緑茶を飲むように当たり前にあるので、何も感じないかもしれませんし、他の紅茶に代わる飲み物を試さない限り、変わることはないといえ、イギリス人も徐々にコーヒー愛飲家が増えていっている気がします。特にイギリスの若い世代は、当然のように紅茶ではなくなり、家でもコーヒーを飲むようになっていますので、間違いなくコーヒーの方が紅茶より勢いがあります。

もはやティータイムとは言わない?!

以前は、休憩する際には皆一応に”ティータイム”と言っていましたが、現在のイギリスではかなり大勢の人が、”コーヒータイム”若しくは”コーヒーブレイク”ということを言うようになっています。
先ほど述べた、コーヒーチェーンの影響も大きいと思いますが、例えばロンドンでは個人経営の小さなこだわりのカフェやスタンドがとても人気になっています。例えば、イタリア人が本場カプチーノを淹れていたり、オーストラリアやニュージーランドの人がこだわりの本場フラットホワイトを淹れていたりと、味や香りにうるさいロンドンに住む人々を飽きさせないことに一役買っています。個人経営の小さなカフェはロンドンにはかなりの数があります。もちろんその中には、日本っぽいカフェもあるわけですが、オーナーがアジア人で抹茶ラテとかほうじ茶ラテなども取り扱っているカフェも増えており、一様に人気を博しています。年配のイギリス人は、特に新しいことを取り入れたり、食べ物や飲み物を変えたりするのを嫌う傾向があるので、今でも毎日何回も紅茶を飲み、休憩を”ティータイム”と呼び、変わらない生活を送っていると思いますが、現在の若い世代20代から50代、60代前半の世代は”コーヒータイム”と言われても違和感なく受け入れています。

今後のイギリスの紅茶事情

今後はさらにコーヒー文化が浸透して、もしかしたらイギリスでは紅茶を飲む人が少数派になるかもしれません。コーヒーのイベントやコーヒーチェーンの影響、さらに家庭用のエスプレッソマシンもかなり種類が増えています。ネスプレッソのようなカプセル型のコーヒーも当然ありますが、コーヒー豆やコーヒー粉を自分でセットして、圧力をかけて抽出するエスプレッソマシンはイギリスでも高額ですが、自宅でカフェの味を楽しめるとあって、コロナのパンデミックの中でかなり売れているとも聞いています。また、世の中の雰囲気も関係していると思いますが、以前は安い紅茶(つまり自宅にあるのとと全く同じティーバックを使って、お湯を注がれてお店で出てくる)で満足していた人たちも、どうせお金を使って飲むなら質の高いコーヒーを飲みたいという風潮にもなってきています。人々の趣向の変化もあり、エスプレッソだけでなくアメリカンコーヒーを好む人も増えています。事実、イギリスのスーパーマーケットに行くと、今は紅茶コーヒーセクションにはコーヒーが紅茶と同じくらいの品ぞろえで売り場を賑わらせていることに気づかれる事でしょう。コーヒーも豆や粉末のもの、カプセルタイプのものから、コーヒーバッグ、大手チェーンのものなど種類や銘柄、コーヒーの産地や苦みなど好みに合わせて選ぶことができます。2020年から2030年の間におけるイギリスのコーヒー事情から目が離せなくなること間違いなしです。

あなたは紅茶派?

それともコーヒー派?

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