新型コロナウイルスのパンデミックが始まって、1年が経過しました。まだ国によってロックダウンしていたり、緊急事態宣言が出たり、解除されたりとニュース報道でも感染者数が報告されています。日本ではなく、イギリスにおいて昨年からイギリス国内でどれほどの人がコロナウイルスに罹患しているのか、無症状者も含めて、どれほど抗体を持っているのかを調べるプログラムが始まり、我が家にもそのプログラムの一環として手紙が届き、電話登録して、後日検査キットを持った調査員が訪問して、各世帯を調べるというものです。これは、完全にボランティアプログラムで、家に来てほしくなかったり、調査に応じたくなければ断ることができるものです。

電話登録の為に指定されたところへ掛けてみると、ボランティア協力なので感謝され、意思確認や自分の住所や電話番号などの個人情報を一通り登録して、最初に訪問される日時の予約もするのですが、その際はかなりの数の人が登録して、予約がかなり先になってしまうので、また今度改めて電話して確認するとの事で電話登録が終了しました。具体的な日時の連絡が無いまま、忘れかけていた時、最初の電話登録から2か月くらい経った頃に、調査員から急に電話があり、翌日の何時頃に行くけど、家に在宅しているかの確認があり、家にいるので大丈夫と告げると、翌日になって予定時刻も過ぎているので、本当に来るのかなと思っていると、携帯電話にテキストメッセージが来て、予約時間を過ぎているのにも関わらず訪問が遅れていることの謝罪とあと1時間以内に訪問するとの事だったので、さらに待ってもその日には来ませんでした。再度携帯電話にテキストメッセージが来て、検査キットを待っていたが、届かなかったので行けなかったとの事。また別日になることが書かれていました。

日本ではあまりそういったドタキャンはあまりないけど、海外だから仕方ないかと思い、また電話すると言ってたから、待とうと思って気に留めていませんでした。そうするとさらに1週間後に別の電話番号から、その時は非通知電話がかかってきて、そのボランティアプログラムで訪問すると言ってきて、日時の確認をして待っていましたが、やはり来なかったので、少し家族も気になり始め、怪しい詐欺や訪問販売などではないかと疑い始めていましたが、まだ何も盗られていないので、次の電話に出てみました。また同じように調査員を名乗り、日時の約束をすると3回目にして本当に調査員が来ました。検査キットを持っていて、自分で喉の両奥、両鼻の奥を綿棒でこすって、検査用のケースに入れて、提出するというものでした。調査員の方は、基本的に家の中には入らず、綿棒を入れたケースを回収するまで外で待っているという具合でした。最初、自分でやったことがないので、調査員の人にやり方を聞いたりして、少し時間がかかりましたが、綿棒で自分の喉と鼻の奥をこすって、無事に提出することができました。

提出して終了なのかなと思ったら、そこから質問がかなりありました。
体調について、コロナウイルスに似た症状が最近あったか
コロナウイルスに似た症状を持つ人に接触した可能性があるか
70代以上の人と濃厚接触したか
ケアホームに出入りしたか
1週間に何人の人に接触したか (ソーシャルディスタンス保てない状況で)
1週間何回外出したか その際にマスクはつけていたか
外国へは昨年のコロナウイルスが始まってから行ったことがあるか
一緒の家に住んでいる人数は
以上は一例ですが、質問が1人につき20くらいあり、細かにいろいろと聞かれます。
当たり前に分かる質問も、調査員は一応聞かないといけないから、確認の為に苦笑いしつつ丁寧にきいてくれて、悪いところはありませんでした。

時間にすると約20分くらいです。自分で綿棒を使って、自分の喉と鼻の奥をこすって提出して、その後質問に答えるというものです。最初は、同意書にサインする必要がありますが、何回協力するかもその時に記します。私は、1か月ほど協力するというもので、合計5回ほど同じ検査と質問を受けました。毎回異なる調査員の人が事前に電話連絡くれて、時間を確認して訪問してくれます。大体、30分くらいの幅で時間予約をくれます、例えば13:00から13:30の間に訪問します、というようにです。ほぼ時間を守ってくれますし、電話で午前1番の時間帯で訪問したいので、9:00から9:30くらいだけど、交通状況が悪くなかったら、9時を目指して行くと事前に連絡くれて、その通り9時過ぎに訪問してくれたりしましたし、調査員は皆基本的にフレンドリーな人たちばかりでした。
そして、毎回のボランティアプログラムで検査結果が送られてきます。コロナウイルスに罹患しているか、どうかという書類が自分の名前と検査日時、検査結果という形で、郵送で送られてきて、現在の状況を知ることが出来ました。お陰様で全て陰性の結果でコロナウイルスには罹患していない事、過去にも罹患したことがないことが分かりました。

こうしたプログラムを通して、自分の現在の状態を知れたのは良かったと思います。現在は、希望すれば無料でPCRテストを受けれる状況にはありますが、家から出かけないといけないので、訪問してくれて、さらに手紙で検査結果を教えてくれるのは、有難いことです。検査結果で陽性だったら、自主隔離を始めないといけないですし、人との接触は不可になるので、それはそれで大変な事になりますが、検査を何回もしたり、予防に努めることは、本当に安心感につながります。
引き続き、手洗い・うがい・ソーシャルディスタンスを意識して、生活していければと思います。
最後にこのボランティアプログラムは、謝礼というのもありまして、毎回の検査に応じて、アンケートにも答えてくれた人に商品券が付与されるというものです。調査員が訪問して、検査キットを提出して、アンケートに答えた日から約10日前後にその商品券がメールで送られてきます。金額で言うと、初回は1人50ポンド分(約7500円)、2回目以降は1人25ポンド分(約3750円)の商品券をもらう事ができて、好きなお店の商品券にして使う事ができます。すべてのお店や商店ではないですが、大手のスーパーマーケットだったり、有名デパートだったり、アマゾンやレストラン、雑貨店でも使えるもので、お店は限られていますが、自分の好みのお店で使う事ができるものです。私の近所のスーパーも対象でしたので、ほとんどは近所のスーパーマーケットで消費して、その月の食費はほとんどかからないくらいになりました。

こうしたプログラムを通して、イギリス全体でどのくらいの人数の人が実際にコロナウイルスに罹患して、どれほど抗体を持っているのかなど、研究に参加できたのは良かったと思います。
少しずつ解明されていって、世界中で起きているこの痛ましい状況が終息することを切に願っています。
