ヨーロッパでは主流の交差点である環状交差点(Round about)は、日本でも少しずつ認知されつつあります。最新の統計をみると、2020年3月末現在、全国に101ヶ所に交差点が設置されているようです。中でも宮城県がダントツの21ヶ所の設置数という事になっていますが、なぜ宮城県にそんなに多いのかは分かりません。2014年以来、日本の交通事情にも影響を及ぼしている環状交差点。最近は近隣にこの交差点が存在しなくても、免許更新の講習でも通行の仕方のビデオをみたりするようです。近くに無くても、遠出した際にバッタリ出くわすことがあるかもしれません。日本での運用実績を見ると、愛知県ではこの環状交差点に限っては、交差点内の事故はまだ無いようです。
この交差点の良い点を挙げると、以下になります。
1 信号機で待たなくても良い。時間帯によっては交通量が少ない場所もあると思いますが、信号機が設置してあると当然のごとく車は信号機のルールに従って、周りに車や人の往来がなくても信号機の前で待たなくてはなりません。 この交差点は信号機が無いので、安全であれば進入して通行できます。
2 とても合理的。信号機が要らないので、通常信号機を作る交差点より設置費用が安くなります。交差点であれば、通常4方向全てに信号機と電源と停止線と色々と設置しなければなりませんが、この交差点はかなりシンプルです。(例外として海外では交通量の多い環状交差点は信号機があるところもあります。)
3 交通ルールがシンプル。日本ではほとんど見かけないので、一見通行するのに難しそうに見えますが、実は誰しも簡単に車を動かして通行できます。信号機に矢印➔が幾つも付いている交差点よりずっと簡単に通行できます。
環状交差点の通行方法
各都道府県の警察のホームページでも細かく紹介されていますが、1つの絶対的なルールは、交差点に進入する際に右から来る車が優先であるということ。既に交差点内に入っていて、右から来る車の通行を妨げてはいけないという事です。日本やイギリスは左側通行ですので、環状交差点は左回り(時計まわり)になります。必ず正面を見て右から来る車を優先としなければなりません。他の国に行くと、左ハンドル右側通行なので、この環状交差点は右回り(反時計まわり)になり、この際は左から来る車が優先です。この一つの絶対的なルールを知っておくと、この環状交差点を通行するのに容易になります。そして、交差点進入後、徐行しながら左まわり(時計まわり)をして、出たい道(曲がりたい道)の手前で方向指示器(左ウインカー)を出して、退出します。 恐らく、日本では普及はまだまだしていないのと、多くの人が慣れていなかったり、初めてみるドライバーも多いので、かなり徐行して通行していると思われます。海外では、この環状交差点(Round about)の歴史は長く、地元の人たちはかなり慣れているので、この交差点でもお構いなしに突っ込んできたりするので、海外で運転の際はお気をつけください。
日本ももっと普及して欲しいと個人的には思っていますが、交差点内にある程度の広さが必要だと言われています。しかしながら、同じ道路の狭いイギリスでは、どんなにスペースが狭くてもこの交差点が活躍していて、車によっては一回ではUターンが出来ない環状交差点もあります。その場合はもちろん1回2回切り替えして通行します。

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